MOONGIFT編集後記

MOONGIFTのコーポレートブログです

2021年最後のDevRel Meetup in Tokyoを開催しました

2021年も早いもので、もう12月です。12月はアドベントカレンダーの季節なので、せっかくなのでイベントの振り返りでもしようと思います。

DevRel Meetup in Tokyo #70 〜テックWebメディアパネルディスカッション〜 - connpass

2021年初のオフライン開催

コロナ禍になったのが2020年2月末くらいで、それ以降ずっとオンラインでイベントを開催してきました。つまり22ヶ月くらいはオンラインだった訳です。参加者としてみると、オンラインイベントのメリットは大きく、クリック1つで参加できる手軽さ、心理的障壁の低さ、家庭とのバランス、移動時間がないことによる自分の時間の確保などなど様々にあります。

しかし、逆に開催側や、スピーカー側としてみると体験は低いというのが懸念点でした。コミュニティの熱量は相対的に低めですし、オンラインになってからの参加者で顔を覚えている人はあまり多くなかったり、スピーカーはPCに向かってひたすら喋る辛さだったり、聞いている人の反応が今ひとつ分からなかったりします。コミュニティにコミュニケーションを求めている人にとっても、オンラインイベントはそれほど魅力的でなかったりする場合もあるでしょう。

DevRel Meetup in Tokyoではコミュニティベースのカンファレンスも含め、コロナ禍にあってもイベントを継続的に行ってきました。そして、ようやく感染者数が落ち着いてきたこともあり、オフライン会場とオンライン参加をミックスしたハイブリッド開催となりました。

会場を借りる

コロナ禍前であれば、企業様の会場をお借りしてイベントを行っていました。しかし、昨年や今年にかけて一気に状況が変わっています。多くの企業はオフィスを縮小する傾向にあり、その一環としてイベントスペースは廃止されています。廃止していない場合においても、感染拡大につながる可能性を考えると、おいそれと貸し出ししづらいのが実情です。また、会場の担当者の多くがリモートワーク中であり、イベントのためだけに出社したり、会場の管理に関わるのは面倒でしょう。

ということで使われるのがSpaceMarketのような会議室貸し出しサービスです。今回は新宿の会議室を借りました。体感値ではありますが、会議室もコロナ禍前と比べて安価な気がします。

イベントのイロハを忘れている

いざ当日になって、DevRel Meetup in Tokyoのデスクカバーとステッカー、養生テープを持って行きました。到着してみるといろいろ懐かしい感覚にとらわれました。

  • プロジェクターをセットアップする感覚
  • ラップトップにUSB-Cポートしかなく、プロジェクターはHDMIケーブル接続するものだったのを思い出す(たまたまUSBハブを持って行っていたので助かった)
  • プロジェクター映像の歪みの直し方を忘れている
  • パソコンの画面をミラーリングすることを忘れている

プロジェクター周りばかりですが、実際オフラインでイベントをやらなくなって、一番使われなくなったのがプロジェクターな気がします。

イベントの取り回し

今回はオフラインはもちろん、オンラインにも参加者が集まるハイブリッドイベントになります。司会がどちらかに一人しかいない場合、もう片方のファシリテーションが確実に悪いものになるので、オンライン側とオフライン側で、ファシリテーターを別個で用意しました。オンライン側は一人でやると面白くないので @odasho さんと @k-yasunori さんの二人にお願いしました。

オフライン側の自己紹介の後、オンライン側のファシリテーターにバトンタッチして自己紹介をしました。オフラインの場合「これ、聞こえますか」といちいち確認しないで済むのが良いですね。

パネルディスカッションの内容

今回はWebテックメディアのパネルディスカッションという立て付けになっています。元々商用メディアの方々にお声がけしていたのですが、師走ということもあって登壇スケジュールが合わず、直前になってパネリストが決まりました。結果的に、それぞれの立場でお話が聞けたので面白かったです。

  • 佑子さん@翔泳社
  • 毛利さん@はてな
  • 山本さん@Yahoo! JAPAN

今回事前に用意していたのは次の3つの質問です。

  1. 記事制作の進め方
  2. 編集時(発信前)に気をつけていること
  3. 今年ヒットした記事(あれば)

記事制作の進め方

ここからは抜粋になります。

佑子さん@翔泳社

編集者が技術ネタ(流行っているもの)を探して、識者にお声がけするパターン、企業がネタを持ち込みしてくるパターンがある。はてなブックマークなどでバズっている情報を探すことも。

編集者はかなり少数精鋭。ニュースが月100本、それ以外の読ませる系の記事が月20本など。

持ち込み企画は営業的、マーケティング的になりすぎないよう気をつけている。

毛利さん@はてな

採用記事はなるべく企業の良いところに目を向けて書いている。はてなブログでの見え方を意識して書いている。Markdownが使えるのが利点で、GitHubで記事を管理するフローが便利。

ただし、エンジニア以外の人が関わってくる場合はGoogleドキュメントやMS Wordでのやりとりがあることも。Googleドキュメントの修正をMarkdownに反映するのがちょっと面倒と。

はてなブログははてなブックマークと連携しやすいのが利点。

山本さん@Yahoo! JAPAN

記事は週1〜3本発信中。現場のエンジニア、デザイナーが主体的に書いてくれるもの、編集チームが企画するものが混在。

「ヤフーとして発信できる」「ヤフーとして戦略的に発信する」といった答えがあり、「ヤフーとして発信する意義」を強く意識されている。

編集時(発信前)に気をつけていること

佑子さん@翔泳社

編集はしっかりと行いつつも、それでもコメントが入ることはある。その場合は後からでも修正を行い、その部分が分かるように記事を更新している。

セキュリティのマンガもある。

伏石ちゃんは意図に反したい連載一覧:CodeZine(コードジン)

毛利さん@はてな

OGPや概要漏れなどのケアレスミスが意外とあるので、注意している。チェックポイントはクライアント(媒体)ごとに異なる。

山本さん@Yahoo! JAPAN

機械にできることは任せている。

校正支援(V2) - Yahoo!デベロッパーネットワーク

BLMが話題に上がっていた時にGitリポジトリがmasterからmainに変わったように、機械では難しいエモーショナルな部分は編集チームがケアしている。

今年ヒットした記事(あれば)

毛利さん@はてな

記事を書く上で大事な3つのキーワード。

  • なるほど
  • わかる
  • 違う、そうじゃない

参考になる記事。

佑子さん@翔泳社

持ち込み系でよかったパターン。

一般的技術ワードに対して、歴史的な流れと現在のトレンドを取り上げた記事はウケが良い。

なるほど系の記事。

TypeScriptを効率的に独習しよう! 無料で学べる「TypeScript Deep Dive」日本語版の翻訳者が学習法を解説 (1/2):CodeZine(コードジン)

山本さん@Yahoo! JAPAN

Google(web.dev)からお声がけもらって英訳した記事。

Improve user experience! How we manage the Core Web Vitals on our Yahoo! JAPAN News website - Yahoo! JAPAN Tech Blog

日本語版:ユーザー体験を向上!Yahoo!ニュースにおけるCore Web Vitals対応事例 - Yahoo! JAPAN Tech Blog

ヤフーが元々ファーストペンギンとして取り組んでいた、元々コミュニケーションしていたことから実った記事。

一番、わかる、なるほど、そうじゃないが三つ巴で白熱した記事。

社内勉強会で専門的技術力を高めるには - Yahoo! JAPAN Tech Blog

いかに良い 執筆体験 を提供できるか。それがないと、個人のブログやQiita/Zennなどで良いやとなってしまう。

撤収作業

オフライン会場では撤収作業があります。前は「優しい方だけ手伝ってください」と言っていたのが懐かしい(忘れていた)です。

打ち上げ

こうやって乾杯できるのもオフラインの良さですね。

改善点

  • もっとオフラインとオンラインがミックスされた感じにしたい
  • 音!音!音!
  • 会場全体を映して、オンライン側に反映するのはあり(思ってみれば、2020年2月にやっていたな…)

まとめ

初のハイブリッド開催とあり、細々したトラブルであったり、今後の改善ポイントがありました。2022年はハイブリッド開催が増えていくと予想されますので、早めにトライ&エラーを行って、個々のイベントをスムーズに開催できますように!

DevRel Meetup in Tokyo - connpass